「和気あいあい・アットホーム」という言葉の罠について【採用担当者の独り言】
今回は採用担当者が日々思うテーマについてを書いてみます。
「和気あいあい・アットホーム」という言葉。日昇の社風を表すとき、応募してくださる求職者・取引先などの外部の方がによく使ってくれます。私たち社員も使っているかもしれません。
当社はまだ若い会社なので、「年齢層が比較的近い(20-30代中心)」「50人ほどの規模である」などの理由で、社員の距離感は近いように感じます。
役職や年齢、性別関係なく、誰でもフランクに話しやすい風土があります。だから「和気あいあい・アットホーム」のような表現になるのでしょうか。
「和気あいあい・アットホーム」とは耳障りのよい言葉です。このように言われるのは私自身、正直嬉しいです。しかし、「本当にこの言葉で職場の雰囲気を表していいのかな?」と、少し違和感を覚える場合があります。
「和気あいあい・アットホーム」という言葉の違和感
いろいろ考えていたら、とある企業の人材募集ページで、ふと目に止まった注意書きがありました。
当社は「サークル」のように楽しい会社という印象があるようです。
しかし、まったくそんなことはありません。過度の期待はなきように。
なるほど!と、すっと腑に落ちました。
そうなんです。私たちも一緒!
社員の仲が悪いわけではありません。少なくとも私はそう感じているので、採用広報を行う上で社員同士の交流エピソードをお話しする機会はあります。
人間関係に惹かれて、当社に興味をもつ方は一定数いるでしょう。面接や応募書類で熱く語ってくださる方がときどきいらっしゃいます。
「社員さんの仲のよさそうな雰囲気が好印象でした」「御社の働く環境に憧れています」なんて応募者に言われた経験も。
でも!仕事はサークル活動ではないんです。
楽しい職場に惹かれて入社する人、環境や人間関係に期待して入社する人ばかりでは、いい仕事はできません。
会社では「成果」が要求されます。成果を産み出す手段として良好な人間関係はあるかもしれませんが、手段と目的を逆転させてはいけません。
アットホームな社風に惹かれた 和気あいあいとした雰囲気で働きたい 人間関係のよい職場で仕事がしたい 楽しく働きたい
このような印象を持っていただけるのは大変ありがたいです。ただ、それを応募者が面接の場でアピールされるのは少し違うのかなと思っています。
仕事をする上でコミュニケーションは重要ですが、だからといって、仕事は人間関係だけで成り立っていないですからね。
仮に、応募者にとって日昇がそういう会社だと見えているとして、入社後にギャップを感じないかどうかは人それぞれ。配属される部署によって人間関係は変わるはずです。
部署に関わらず、成果を上げるために、ときに意見をぶつけ合ったり叱責を受けたりする可能性もあります。
一部の会社の雰囲気だけ見て、「思っていたのと違った!」とならないか心配です。
「和気あいあい・アットホーム」より大事なこと
働く環境においての「和気あいあい・アットホーム」は、ひとつのオプションみたいなものなのではないでしょうか。入社して、思ったとおりの会社であればラッキー。
むしろ、応募者のあなたは、日昇社員として「和気あいあい・アットホーム」な職場を一緒に作ってくださいますか?そうでない環境があった場合、職場をよりよく改善しようと尽力してくれますか?
人間関係に期待して入社する方より、よりよい人間関係を築き上げてくれる方・会社の環境をさらによくしてくれる方を、会社は求めています。
偉そうな言い方になってしまいすみません。でも、社風や会社の雰囲気って、もとから存在するわけではありません。今まで在籍してきた社員、そして今も活躍している現社員全員が築き、継続してきた文化です。
「和気あいあい・アットホーム」な社風が好きな方より、これから職場の環境を一緒に創り上げていける方。そういう方々と、私たちは一緒に働きたいです。
縁あって日昇へ応募してくださる方には、少しだけ視点を変えて当社に主体的に関わっていただきたいなと思っています。
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