新卒採用の一次面接では「成果物を持ってきてください!」【新しい採用面接の方法】
EC事業部の新卒採用の場合、一次選考は採用担当の私と直属上司になる予定のマネージャー1名の合計2名が面接官を務め、個人面接行っています。
お伺いする質問は事前に考えてきており、手順に沿って対話を重ねていきます。
しかし、いつも悩むのは、面接で応募者のよさを引き出すためにどう問いかけるか。
緊張を強いられる面接の空間で、「学生さんがいかに実力を発揮できるか」「私たちに素の自分を見せてくれるか」会社として工夫したいと思っています。
新しい採用面接の試み
1つよいアイデアが思い浮かんだので、昨年から新しい試みをはじめました。
面接に『大学時代の努力の証(成果物)』を持ってきてください!
大学時代に努力してきた経験を聞き、成果物を添えてアピールしてもらっています。
私たちが知りたいのは、「何を持ってきたか?」ではなく「やってきた事柄への思い入れ」や「活動によってどう成長したか」です。意図をお伝えし、みなさんが何を持って来てくださるのか、いつも楽しみにしています。
結果、昨年も今年もバリエーション豊かな成果物を見せてもらうことができました。よく考えると当然なのですが、誰一人として成果物がかぶらなかったんですよね。みなさんの多様な人生の一部が伺いしれて、非常に興味深い面接時間でした。
今まで持参してもらった「アピールできるもの」とは
実際に、下記のような成果物を持ってきてもらいました。
ゼミで作成した共同論文
サークル活動で自作したグッズ
サークル活動の動画
部活で貰った賞状
大学の成績表
勉強や活動の証であるノート
バイトで使い込んだメモ帳
授業で制作したポートフォリオ
自作したプロダクトや動画
制作したWebサイト
バイト先の社員からの推薦文
お客様からの手紙
などなど。
ノートパソコンやタブレットを持ち込んでくださる方も多いです。創意工夫あふれる成果物の持参をお待ちしています。
成果物を持参した面接の効果
その人の「行動」や「実績」を知る手がかりにしやすい
大学時代をどのように過ごしたかを聞くのは、その人をよく知るための1つの手がかりになります。
カタチのあるものを見せることはただ質問に答えるのと違って、取り繕うのが難しいはず。応募者の本来の姿に近づけたように思います。
応募者の発言が具体的かつ生き生きしたものになりやすい
好きなもの、思い入れ深い事柄を語るとき、人は自然と饒舌になります。笑顔が出て、目がキラキラ輝きます。
「話したくて仕方ない!」という感じで、前のめりでお話ししていただけた場合は、その姿勢そのものが充実した大学生活を物語っているかのようでした。
面接で緊張する姿のかわりに、応募者の活き活きした姿を見れたのは収穫でした!
面接官も応募者の人柄のイメージがつかみやすい
同じアルバイトの経験を語るとしても、ボロボロに使い込んだメモを持ち込んでくれたAさんからは、ひたむきに役割を全うする責任感が最も強く感じられました。
アルバイトを辞めるときに店長からの推薦文を持ってきてくれたBさんからは、上司から信頼される人柄が印象に残りました。
持ってくる成果物によって、その人の性格や価値観も浮き彫りになり、解像度高くその人を理解できたように思います。
新しい採用面接の方法を模索した結果、成果物の持ち込み面接に行きつきました。これは応募者と面接官双方にとって、メリットのある結果となりました。
来年度以降も、新卒採用時に今回の試みを続けていきたいと考えています。
中途採用でも成果物持ち込みの面接を実施するかは悩んでいるところです。募集職種によって、臨機応変に取り入れています。
たとえば写真撮影を業務で行う部署であれば、事前のやりとりの中でご自身の撮影した作品のご提示をお願いすることはあります。
また、Web店舗を運営されていた方の場合、どんな店舗でどのような業務を担っていたのか、実際のお店のURLを教えてもらうケースも。
他社の選考に行かれる方や中途採用の面接を受けられる方も、「自分なら面接にどんな成果物を持って行くか?」考えてみるとおもしろいと思います。
企業からの指示がなくても、禁止されていないのであれば積極的に、成果物持参で面接に臨むのはいかがでしょうか。
面接のときに一言断りを入れて披露すれば、積極性を評価する企業は多いと思います。効果的な自己アピールになりますよ!
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