Eラーニングを新入社員研修に取り入れ、EC事業のイロハを学んでいます
今回はEC事業で行っている特徴的な研修についてお話ししてみますね。
EC事業では楽天市場をメインとしてネットショップを営んでいます。商品企画からマーケティング、撮影やページ制作・Web店舗運営までをワンストップで、1つの部署内で運営しています。
たとえば、商品撮影やページ制作を行う担当になったとしても、楽天市場のルールの理解は業務の質に大きく関わります。
他にも、商品企画の担当は、Webショップの特徴を理解していないと最適な商品開発ができません。
このように日昇の業務は細かい部分で密接に関連しているため、質の高いアウトプットができているといえます。部署内での役割変更、異動は他社より繁盛で、全員が総合的な知識を向上させていく必要があります。
以上のような理由から、新入社員が覚えないといけないことは膨大で、教える方も大変です。
また、環境変化のスピードの速いことがEC業界の特徴。去年の常識は今年の非常識なんてことは、しばしば発生します。私たちは最新の情報にいち早くリーチする必要があるんです。
EC事業部の事情を考慮して「Eラーニング」による研修をはじめました。具体的には、EC事業部に配属になった社員に対し「楽天市場、ひいてはECでモノを売ること」に特化して、動画での学習を進めています。
対象者はEC事業に配属になる新入社員(他部署からの異動も含む)です。
最初の研修の際にEラーニングのやり方をレクチャーし、あとは自席のパソコンを使って学習してもらいます。
隣の席の人の邪魔にならないよう、イヤホンをつけて講義を受けます。
毎日10分~30分程度、自分のペースで学習を進められる点が好評なんですよ。
視聴するのは、楽天市場出展企業が利用できる学習ポータルサイト「楽天大学 RUx」の中にある動画コンテンツです。
具体的なEC店舗の運営方法や法律・ルール関係の知識、ページ制作のアイデア、マーケティングが学べるほか、楽天市場の成功ノウハウが提供されています。
ドラマ仕立てで法律やルールの解説が行われていたり、有名企業の担当者が楽天で行った講演を見れたり、飽きずに学べるんですよ。
現在の時点では、なんと2,596本のレクチャー動画が無料で見放題です。この中からEC事業部の担当者としてマストで見てほしい動画を、ECの運営経験のある教育担当者が約100本を厳選。中途社員と新入社員、EC事業経験者と未経験者などによって少しずつ動画のセレクトを変え、学習者に合わせて最適化しています。
また「動画視聴シート」を作成しています。学習者には「本日視聴した動画内容の要約」と「動画を見た感想や学んだこと」を記入してもらっています。これにより学習者自身も内容が定着しやすくなるんです。
さらに学習内容を記録することで、学習者の理解度や進捗を、他の人にも共有できるようにしています。
セレクトした動画をすべて見終わるまでにかかる時間は16時間ほど。社内研修が終わった後も業務の合間に1-2ヶ月かけて毎日コツコツ学んでもらいます。
これだけの分量を学び終わったら、EC事業の中の人としてスタートラインに立てたと言えるでしょう!Eラーニングで習得した知識をもとに、こんどは会社のスタイルをOJTで学習。基礎が頭に入っているので、実践での理解度が早くなるはずです。
実際にEラーニングで学んでみてどうだったでしょうか?少し前に研修を終えたばかりの新入社員と中途社員に、それぞれ感想を聞いてみました。
新卒社員
何もわからない状態から勉強を始めるときは、大まかな要点だけ教えてくれるので全体をつかみやすかったです。 研修中は時折、教育担当者の都合で待ちの時間ができます。自分で速度調整が可能なこと・動画一本が3~10分であることで、ちょっとした空き時間に学べるので便利でした。 あと、私は文字を読む学習がイマイチ苦手なので、声と図で学べる動画のほうが学習方法としてはあっていました。
中途社員
中途採用だった私に合わせた講義を厳選してもらえたので、どれも学びの多い内容でした。 ロジカルシンキングやマネジメント(マインドや時間管理)の講義は、楽天ショップ運営だけでなく、仕事全般のスキルとして大変勉強になりました。ただ視聴するだけでなく、要点をまとめ、講義毎に感想を書くことで、理解を深めながら学べました。 特に面白く、印象に残っているのは、ランチェスター戦略です。「エリアやカテゴリーを絞って小さなNo.1を積み重ねることが大事」「やらないことを決め一点集中で成果をあげる」など、それを実践して成果をあげた店舗の話が非常に興味深かったです。 自身の担当業務に直接関係していたこともあり、Eラーニングをきっかけにランチェスター戦略の本も読みました。
みなさん、ご自身の状況に合わせて主体的にEラーニングを活用できているのが伝わってきます。さらに、感想を聞く中で、Eラーニングのデメリットも出てきましたので紹介します。
新卒社員
何回でも再生できるのはいいのですが、理解できずに何度も再生し、時間だけ経っていた…という動画がありました。 あと、テストがあるわけでもないので、業務のイメージが湧かない動画に関しては、聞いて見るだけだと割とすぐ忘れそうです。 なんとなくの記憶はあるけど、一週間後に説明しろと言われると無理かも。。。
なるほど、理解できない部分の解決方法や、記憶が定着するしくみづくりがEラーニングの課題のようです。しかし、確認テストを導入すると、次からの新入社員に恨まれそう(笑)
テストをやるかどうかは今後検討していきます。それ以外の改善点としては、1.新入社員が理解しづらい部分を解説する、2.学んだ内容の共有をする時間を持つ、など、工夫の余地がありそうですね。研修を企画する立場として、大変勉強になります!
社員全員に対して「完璧」な学習方法はないと思いますので、できるだけEラーニングのデメリットを埋める工夫をしてみます。自社のEラーニングのスタイルを確立し、効率的にスキルアップできるようにしていきたいです。
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